気になる前歯だけを整える部分矯正|費用・期間・治療法を専門医が解説
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「前歯の隙間が少し気になる」「笑ったときに見える歯のガタガタだけ治したい」 このように、歯並び全体ではなく、特定の歯に関するお悩みをお持ちの方は少なくありません。
全体的な矯正治療は費用も期間もかかるため、なかなか一歩を踏み出せないという方もいらっしゃるでしょう。
そのような方のために、当院では気になる前歯だけを対象とした「部分矯正」という選択肢をご用意しています。
部分矯正は、全体矯正に比べて費用を抑え、短期間で治療を終えられる可能性がある魅力的な治療法です。
この記事では、前歯の部分矯正について、治療の概要から費用、期間、治療法の種類、そして後悔しないためのポイントまで、矯正治療を専門とする歯科医師が網羅的に解説します。
ご自身の歯並びが部分矯正で治療できるのか、どのくらいの費用と期間がかかるのか、ぜひ参考にしてください。
目次
01.前歯部分矯正とは?
02.なぜ?前歯の歯並びが乱れる主な原因
03.部分矯正で治療できる前歯の症状例
04.前歯部分矯正の治療法の種類と比較
05.注意!前歯部分矯正のデメリットと後悔しないためのポイント
06.前歯部分矯正の費用と治療期間の目安
07.前歯矯正で東戸塚エス歯科クリニックが選ばれる理由
08.前歯部分矯正の治療の流れ
09.前歯の部分矯正に関するよくあるご質問
前歯部分矯正とは?
前歯部分矯正とは、その名の通り、奥歯を動かさず、主に見た目に影響する前歯(上下それぞれ6本程度)の歯並びを整えることを目的とした矯正治療です。
歯並び全体の噛み合わせを根本的に改善する「全体矯正」とは異なり、部分矯正は「見た目の改善」に特化した治療と言えます。
全ての歯を動かす必要がないため、以下のような大きなメリットがあります。
治療期間が短い
動かす歯が少ないため、数ヶ月〜1年程度で治療が完了することが多いです。
費用を抑えられる
治療範囲が限定的なため、全体矯正に比べて費用負担が少なくなります。
身体的負担が少ない
歯を動かす際の痛みや違和感を伴う期間が比較的短く済みます。
一方で、部分矯正はあくまで前歯の見た目を整える治療であるため、奥歯の噛み合わせに問題がある場合や、歯を動かすスペースが大幅に不足している重度の不正咬合には適用できません。
ご自身の歯並びが部分矯正に適しているかどうかは、精密な検査と診断に基づいて慎重に判断する必要があります。
なぜ?前歯の歯並びが乱れる主な原因
前歯の歯並びが乱れる原因は、生まれつきの骨格や歯の大きさが関わる「遺伝的要因」と、生まれてからの習慣や癖が影響する「後天的要因」に大別されます。
特に、以下のような後天的な要因が、日々の生活の中で無意識に前歯の歯並びに影響を与えているケースが多く見られます。
指しゃぶり・爪を噛む癖
幼少期の指しゃぶりや爪を噛む癖が長期間続くと、指や爪を吸う圧力がかかり続け、上の前歯が前方に押し出されたり(出っ歯)、上下の前歯が噛み合なくなったり(開咬)する原因となります。
舌で前歯を押す癖(舌突出癖)
飲み込む時や話す時に、無意識に舌で前歯の裏側を押す癖も、歯並びを乱す大きな原因です。
持続的に舌からの力がかかることで、前歯の間に隙間ができる「すきっ歯(空隙歯列)」や出っ歯を引き起こします。
口呼吸
アレルギー性鼻炎などで鼻が詰まり、口で呼吸する習慣がつくと、口周りの筋肉のバランスが崩れやすくなります。
口が常に開いている状態は、唇が歯を抑える力を弱め、前歯が突出しやすくなる原因となります。
頬杖
テレビを見ている時やデスクワーク中に無意識に頬杖をつく癖は、片側の顎や歯に持続的な圧力をかけることになります。
これが歯列のズレや顔の歪みにつながることがあります。
これらの原因は一つだけでなく、複数が絡み合って歯並びに影響していることも少なくありません。
部分矯正で治療できる前歯の症状例
部分矯正は、奥歯の噛み合わせに大きな問題がなく、前歯の軽度な乱れを改善したい場合に非常に有効な治療法です。
具体的には、以下のような症状が適応となる可能性があります。
空隙歯列(すきっ歯)
特に上の前歯の真ん中に隙間ができてしまう「正中離開」など、歯と歯の間の軽度な隙間を閉じる治療は、部分矯正の代表的な症例です。
軽度〜中等度の叢生(ガタガタの歯並び)
前歯が少し重なり合っている、捻じれているといった軽度の叢生は、部分矯正の良い適応となります。
犬歯が少しだけ飛び出している「八重歯」も、抜歯を必要としない程度であれば治療可能です。
軽度の上顎前突(出っ歯)
骨格的な問題ではなく、歯の傾きによって前歯が少しだけ前に出ている「歯性」の上顎前突は、部分矯正で改善が期待できます。
矯正後の後戻り
過去に全体矯正を受けたものの、保定装置(リテーナー)の使用を怠ったことなどで、前歯が少しだけ元の位置に戻ってしまった場合の再治療にも、部分矯正は非常に適しています。
ただし、これらはあくまで一般的な適応症例です。
ご自身の歯並びが部分矯正で本当に改善できるのか、また、部分矯正が最善の治療法なのかどうかは、歯科用CTなどを用いた精密検査によって、歯だけでなく顎の骨の状態まで正確に把握した上で診断する必要があります。
前歯部分矯正の治療法の種類と比較
前歯の部分矯正で用いられる主な治療法は、「ワイヤー矯正」と「マウスピース矯正」の2種類です。
それぞれにメリット・デメリットがあり、患者様のご希望やライフスタイル、歯並びの状態によって最適な装置を選択します。
ワイヤー矯正
歯にブラケットという装置を取り付け、そこにワイヤーを通して歯を動かす、最も実績のある治療法です。
部分矯正では、見える範囲の歯にのみ装置を装着します。
表側矯正
歯の表側に装置を装着する標準的な方法です。
金属製の装置は目立ちやすいですが、歯の色に近い白色や透明のセラミック製ブラケットや、ワイヤー自体を白くコーティングしたホワイトワイヤーを選ぶことで、審美性を大幅に向上させることが可能です。
裏側(舌側)矯正
歯の裏側に装置を装着するため、外からは全く見えません。
高い審美性を求める方に適していますが、費用は高額になり、舌に違和感が出やすいという特徴があります。
マウスピース矯正(インビザラインなど)
患者様一人ひとりの歯型に合わせて作製された、透明なマウスピース型の装置(アライナー)を定期的に交換していくことで歯を動かす治療法です。
メリット
装置が透明で薄いため、装着していてもほとんど目立ちません。
食事や歯磨きの際に自分で取り外せるため、衛生的で快適です。
ワイヤー矯正に比べて痛みが少なく、口内炎などのトラブルも起きにくい傾向にあります。
デメリット
1日20〜22時間以上の装着時間を守る自己管理が必須です。
装着時間を守れないと治療計画通りに歯が動かず、治療期間が延長する原因となります。
また、重度の叢生など、難しい症例には適応できない場合があります。
どちらの治療法を選ぶべきか?
ワイヤー矯正(表側)
審美性:△ 目立つ
快適性:△ 口内炎のリスク
食事:△ 制限あり
清掃性:△ 清掃が難しい
自己管理:〇 基本的に不要
費用:〇 比較的安価
裏側矯正
審美性:◎ 全く見えない
快適性:△ 舌の違和感・発音
食事:△ 制限あり
清掃性:× 非常に難しい
自己管理:〇 基本的に不要
費用:× 高価
マウスピース矯正
審美性:◎ ほとんど目立たない
快適性:〇 違和感が少ない
食事:◎ 制限なし
清掃性:◎ 取り外して磨ける
自己管理:× 装着時間の管理が必須
費用:△ やや高価
どの装置が最適かは、患者様の優先順位によって異なります。
専門医とよく相談し、それぞれのメリット・デメリットを理解した上で決定することが重要です。
注意!前歯部分矯正のデメリットと後悔しないためのポイント
手軽に見える部分矯正ですが、安易に治療を始めると「こんなはずではなかった」と後悔につながるケースも存在します。
治療を成功させるためには、デメリットやリスクを正しく理解しておくことが不可欠です。
部分矯正の主なデメリット・リスク
適応症例が限られる
部分矯正は、抜歯が必要なほど歯が大きく重なっている場合や、出っ歯・受け口の原因が骨格にある場合は適応できません。
無理に部分矯正を行うと、歯を並べるスペースが足りず、前歯が前方に突出してしまうなどの問題が起こり得ます。
噛み合わせが悪化するリスクがある
奥歯の噛み合わせを考慮せずに前歯だけを動かすと、見た目はきれいになっても、全体の噛み合わせのバランスが崩れてしまうことがあります。
これにより、特定の歯に過度な負担がかかったり、顎関節症を引き起こしたりするリスクもゼロではありません。
後戻りの可能性がある
これは全体矯正も同様ですが、治療後に歯並びを安定させるための保定装置(リテーナー)の使用を怠ると、歯は元の位置に戻ろうとします。
短期間で治療が終わったからといって、その後のケアを疎かにすると、努力が水の泡になってしまいます。
後悔しないための3つのポイント
1.必ず精密検査を受けること
見た目だけで部分矯正が可能かを判断するのは非常に危険です。
歯科用CTなどで骨格や歯根の状態まで詳細に分析し、お口全体の状況を把握した上で、部分矯正が本当に適しているのかを診断してくれる歯科医院を選びましょう。
2.「噛み合わせ」を重視する歯科医師を選ぶこと
カウンセリングの際に、見た目の変化だけでなく、治療後の噛み合わせがどうなるのか、どのようなリスクがあるのかまで丁寧に説明してくれる歯科医師は信頼できます。
3.安易な「短期間」「格安」に飛びつかないこと
部分矯正は全体矯正より早く安く治療できるのが魅力ですが、そのメリットを強調しすぎる広告には注意が必要です。
なぜその期間・費用で治療できるのか、治療範囲やリスクについて、納得できるまで説明を求めましょう。
前歯部分矯正の費用と治療期間の目安
費用について
前歯の部分矯正は、自由診療のため保険適用外となります。
費用は治療範囲や使用する装置、治療の難易度によって変動しますが、一般的な相場は以下の通りです。
費用目安: 約30万円 〜 70万円
この費用には、通常、相談料、検査・診断料、装置料、調整料、保定装置料などが含まれます。
歯科医院によっては、最初に提示される料金の他に、通院のたびに「調整料」が発生する場合があります。
治療期間が延びると総額が高くなる可能性があるため、事前に料金体系(すべての費用が含まれる「トータルフィー制度」か否か)を確認することが重要です。
治療期間について
動かす歯の数や移動距離によって異なりますが、前歯部分矯正の治療期間は全体矯正に比べて大幅に短縮されます。
治療期間目安: 約2ヶ月 〜 1年程度
治療後は、整った歯並びを安定させるための「保定期間」が別途必要になります。
これは後戻りを防ぐために非常に重要で、通常、治療にかかった期間と同程度の期間、保定装置(リテーナー)を装着していただきます。
医療費控除について
部分矯正であっても、審美目的だけでなく「噛み合わせの改善」など機能的な問題を解決するための「治療目的」であると認められれば、医療費控除の対象となる可能性があります。
対象となれば、確定申告を行うことで所得税の一部が還付されます。
前歯矯正で東戸塚エス歯科クリニックが選ばれる理由
当院では、単に前歯を並べるだけの部分矯正は行いません。
なぜなら、見た目だけを優先した安易な部分矯正は、全体の噛み合わせを不安定にし、将来的に顎関節症や他の歯への負担増といった問題を引き起こすリスクがあるからです。
東戸塚エス歯科クリニックは、患者様の将来の口腔健康まで見据え、以下の4つの理由から多くの方に選ばれています。
1. 精密診断に基づく「安全で確実な」治療計画
当院では、歯科用CTや3D口腔内スキャナー「iTero」といった先進設備を駆使し、歯の見える部分だけでなく、歯根の状態や顎の骨の厚みまで三次元的に詳細に把握します。
この精密なデータに基づき、部分矯正が本当にその患者様にとって最善の治療法なのかを的確に診断します。
見た目と機能(噛み合わせ)の両方を考慮し、長期的に安定する、安全で確実な治療計画のみをご提案します。
2. 世界トップクラスの実績!インビザライン・ブルーダイヤモンドプロバイダー
当院は、マウスピース矯正「インビザライン」において、年間症例数に応じて与えられるプロバイダーランクの最上位の一つ「ブルーダイヤモンドプロバイダー」の認定を受けています。
これは国内でもごくわずかな歯科医院しか達成できないステータスであり、豊富な治療経験と実績の証です。
数多くの症例データを基に、あらゆる歯並びに対して精度の高い治療シミュレーションと最適な治療計画の立案が可能です。
3. 追加費用なしの「トータルフィー制度」と安心の個別カウンセリング
当院の矯正治療費は、治療開始から完了後の保定装置代まで、全ての費用を含んだ「トータルフィー(総額提示)制度」を採用しています。
治療が長引いた場合でも追加の調整料などは一切発生しないため、費用総額が明確で安心して治療に専念いただけます。
また、診療室は全室完全個室ですので、プライバシーが守られた空間で、費用や治療に関する不安や疑問を心ゆくまでご相談いただけます。
前歯部分矯正の治療の流れ
当院では、患者様に安心して治療を受けていただくために、丁寧な説明と精密な検査を徹底しています。
STEP1:無料カウンセリング
まずは患者様のお悩みやご希望を詳しくお伺いします。
その上で、部分矯正の概要やメリット・デメリット、おおよその費用や期間についてご説明します。
STEP2:精密検査
治療計画の立案に必要なデータを収集します。
歯科用CTによる骨格の撮影 、iTeroを用いた3D歯型スキャンなどを行います。
従来の粘土による型取りは不要で、不快感なく検査を受けていただけます。
STEP3:治療計画のご提案・シミュレーション
検査結果を基に、歯科医師が最適な治療計画を立案します。
iTeroの3Dシミュレーション機能を用いて、治療後にご自身の歯並びがどのように変化するのかを、その場で立体的な映像でご確認いただけます。
計画内容、費用、期間にご納得いただけましたら、治療開始となります。
STEP4:必要に応じた前処置
歯を並べるスペースがわずかに不足している場合、歯の健康に影響のない範囲で、歯の側面のエナメル質を一層削る処置(IPRまたは歯間削合)を行うことがあります。
この処置により、抜歯を回避して歯をきれいに並べることが可能になります。
STEP5:治療開始
治療計画に基づき、矯正装置(マウスピース)を装着し、治療をスタートします。
装置の取り扱い方法や注意事項についても詳しくご説明します。
STEP6:定期的な調整・通院
約1〜3ヶ月に1回のペースでご来院いただき、歯の動きを確認し、装置の調整や新しいマウスピースのお渡しを行います。
STEP7:治療完了・保定期間へ
歯が計画通りに移動したら、装置を取り外します。
その後、整った歯並びを安定させ、後戻りを防ぐための保定装置(リテーナー)を作製し、保定期間へと移行します。
前歯の部分矯正に関するよくあるご質問
Q1. 治療中の痛みはどのくらいありますか?
A1. 歯が動く際に、歯が浮くような、あるいは締め付けられるような痛みや違和感を感じることがあります。
特に装置を装着した直後や調整後の2〜3日がピークで、1週間ほどで慣れる方がほとんどです。
マウスピース矯正はワイヤー矯正に比べて痛みが少ない傾向にあります。
Q2. 年齢制限はありますか?30代、40代からでも始められますか?
A2. 矯正治療に年齢制限はありません。
歯と歯茎が健康であれば、30代、40代、50代以降の方でも問題なく治療を受けていただけます。
近年は、お口の健康意識の高まりから、成人してから矯正を始める方が非常に増えています。
Q3. 奥歯の噛み合わせも悪いのですが、前歯だけで治せますか?
A3. 奥歯の噛み合わせに問題がある場合、前歯だけの部分矯正を行うと、全体のバランスがさらに崩れてしまうリスクがあります。
その場合は、全体矯正をご提案させていただくことがあります。
まずは精密検査で、お口全体の状態を正確に把握することが重要です。
Q4. 治療中に虫歯ができてしまったらどうなりますか?
A4. 矯正治療と並行して虫歯治療を行うことが可能です。
当院では矯正治療と並行して虫歯治療やクリーニングも行える総合歯科ですので、ご安心ください。
Q5. 治療後に後戻りしませんか?
A5. 矯正治療で動かした歯は、何もしないと元の位置に戻ろうとします。
これを「後戻り」と呼びます。
後戻りを防ぐために、治療後は必ず「保定装置(リテーナー)」を使用していただきます。
指示通りにリテーナーを使用することが、美しい歯並びを維持するために最も重要です。
Q6. 支払い方法にはどのようなものがありますか?
A6. 現金、各種クレジットカード払いに対応しています。
また、月々のご負担を抑えられるデンタルローン(分割払い)もご用意しておりますので、お気軽にご相談ください。
Q7. 医療費控除の対象になりますか?
A7. 見た目の改善だけでなく、噛み合わせの改善など機能回復を目的とする場合は、医療費控除の対象となる可能性があります。
申請には歯科医師の診断が必要となる場合がありますので、ご希望の方はお申し付けください。
Q8. 歯を並べるために、抜歯は必要ですか?
A8. 部分矯正は、基本的には抜歯をしないで行うことを前提としています。
歯を並べるスペースがわずかに足りない場合は、歯の側面を少量削る処置(IPR)で対応することがあります。
抜歯が必要なほどの叢生の場合は、全体矯正が適応となります。
Q9. 治療中の食事に制限はありますか?
A9. マウスピース矯正の場合は、食事の際に装置を取り外すため、制限は一切ありません。
Q10. マウスピースをなくしてしまったらどうなりますか?
A10. すぐにクリニックへご連絡ください。
紛失した段階に応じて、一つ前のアライナーを装着していただくか、次のアライナーに進むか、あるいは再製作するかを指示します。
自己判断で装着をやめてしまうと、歯が後戻りしてしまう可能性があるため、必ずご相談ください。
Q11. カウンセリングに行ったら、必ず契約しなければいけませんか?
A11. いいえ、そのようなことは一切ありません。
当院の初診カウンセリングは無料です。
治療について十分にご理解・ご納得いただいた上で、ご自身の意思で治療を始めるかどうかを決めていただくことが大切だと考えています。
まずはお話を聞くだけでも構いませんので、お気軽にご来院ください。
