小児歯科

小児歯科とは、子どもの歯や口腔内の健康を維持するための歯科診療科目の1つです。
一般的には、乳歯が生え始めてから永久歯に生え変わるまでの期間を対象とします。
子どもの発達段階に合わせて、ご自宅での適切なケア方法のアドバイスや口腔衛生の管理などを中心に行っていきます。

乳歯とは、幼児期に生える最初の歯のことです。
生後6ヶ月～1歳6ヶ月頃から生え始め、2歳6ヶ月～3歳頃までに20本の乳歯が生え揃います。
あくまで目安にはなりますが、次のような順番で生えてきます。

乳歯の生え始める時期

6～8ヶ月ごろ：下顎 乳中切歯
10ヶ月ごろ　：上顎 乳中切歯
11ヶ月ごろ　：上顎 乳側切歯
1歳ごろ　 　：下顎 乳側切歯
1歳4ヶ月ごろ：上顎第一乳臼歯
1歳5ヶ月ごろ：下顎第一乳臼歯
1歳6ヶ月ごろ：上顎乳犬歯
1歳7ヶ月ごろ：下顎乳犬歯
2歳3ヶ月ごろ：下顎第二乳臼歯
2歳6ヶ月ごろ：上顎第二乳臼歯

乳歯と永久歯を比較したとき、次のような特徴があります。

サイズと形状

乳歯は永久歯に比べて丸みを帯びた形をしており、露出している歯の部分が短いです。
また奥歯は溝が深く歯ブラシが届きにくく汚れが溜まりやすいです。

歯の色

永久歯が少し黄色みがかった色をしているのに対して、乳歯は白く透明感のある色をしています。

歯の数

永久歯が片側16本ずつの計32本の歯であることに対して、乳歯は片側10本ずつの計20本です。

歯の質

歯を構成するエナメル質と象牙質と呼ばれる組織が永久歯に比べて薄く半分ほどしかありません。
そのため虫歯になりやすいです。

乳歯には子どもが成長する上で、次のような役割があります。

食べ物を噛む

乳歯によって食べ物の咀嚼が正しく行えることで、消化がしやすくなり栄養の吸収が促進されます。

発音への影響

歯があることで舌を上手に使えるようになり、正しい発音を助ける役割を持ちます。

顎の発育

咀嚼ができるようになることで顎の筋肉や骨の発達に良い影響を与えます。

永久歯のガイド

乳歯には後に生えてくる永久歯のガイド的役割があります。
乳歯が綺麗に生え揃うことで永久歯も正しい位置に生えやすくなります。

子どもに毎日の歯磨きをしっかりと取り組んでもらえるように歯磨き指導を行います。
まずは歯磨きに慣れてもらえるような指導を行います。
また、子どものうちは保護者の方の仕上げ磨きも大切になります。
子どもの歯の状態もご説明しながら、仕上げ磨きのポイントもアドバイスいたします。

シーラントとは、乳歯の虫歯予防における治療の1つです。
食べかすや汚れが溜まりやすい奥歯の噛み合わせの面に、プラスチック製の保護剤で溝を埋めていきます。
溝を埋めることで虫歯菌が繁殖すること防ぎ、毎日の歯磨きも行いやすくなります。
シーラントは非常に安全な材質で作られているため、アレルギーも副作用もなく安心して治療を受けていただけます。
治療による痛みもほとんどなく簡単な手順で治療を進められるため、子どもの虫歯予防に非常に効果的です。

フッ素は、歯の一番表面層であるエナメル質と呼ばれる組織を強化する効果があります。
また、虫歯菌を抑制する働きもあり歯垢の形成を減少させる効果があります。
市販の歯磨き粉にも含まれていることもありますが、歯科医院で取り扱うフッ素は市販のものより高濃度であり高い効果を発揮することができます。
シーラント同様、身体へのリスクもなく安心して受けられる虫歯予防です。

顎の成長速度や生えてきた歯のスペースなどをチェックしていき、必要があれば小児矯正をご案内いたします。
子どものころの歯並びは大人の歯の歯並びにも影響するため、早期から対策していくことが大切です。

エス歯科では、子どもが歯医者を怖い場所だと思わないように、まずは雰囲気に慣れていただくことから始めていきます。
実際の治療を行う時には、「風が出るよ」「お水で洗うよ」「掃除機で吸うよ」など子どもでも理解しやすいような言葉で会話をし、なるべく不安を取り除いていきます。
大人になってから歯やお口のトラブルで悩みを抱えないように、将来を見据えたトータル的なサポートをいたします。

この時期はまだ歯ブラシでのブラッシングは不要です。
ミルクを飲んだ後には、柔らかいガーゼで優しくなでるように歯を綺麗にしていきましょう。

子ども自身で歯磨きができるように練習していきましょう。
歯ブラシを持ちながら歩き回ることは危険ですので、歯を磨く際には座って行うように気を付けましょう。

また、子どもだけでは十分に清掃が行き届かないため、慣れるまでは必ず保護者の方が仕上げ磨きをしてあげましょう。

少しずつ歯が大きくなってきて隙間も狭くなることで、歯の隙間に汚れが溜まりやすくなります。
歯の隙間に歯ブラシの毛先を届けるように意識しましょう。
またデンタルフロスなどの補助グッズを使うこともおすすめです。

当院の小児歯科は、一般歯科と同様に精密な検査に力を入れています。
その歯だけを診るのではなく、お口全体を診て長期的に安定した口腔環境が整うよう根本原因を探ることは、大人と同様にお子さまにとっても大切なことだと考えているからです。
また、将来的に虫歯になりにくい口内環境を手に入れるためには、乳歯から永久歯に生え変わる時期のメンテナンスが、特に重要になります。
生え変わったばかりの永久歯は柔らかく、虫歯になりやすいため、ケアを行う必要があります。
当院では、お子さまにとって本当に必要な治療をご提案することを心がけています。
将来のお口の健康を守るために、ぜひ当院まで総合的なチェックにいらしてください。

東戸塚エス歯科クリニック院長
北崎 浩一